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Channel: 徒然まり草〜元タカラジェンヌ日本舞踊家の物語〜
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2021.2.14 日本舞踊and洋舞の考察回② ~それぞれのジャンルにおける「身体の使い方」

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皆様こんにちは。


今日はバレンタイン💓

大切な方を想う、素敵な日ですね。


チョコレート商戦の日とも言えなくはないですが、こういうイベントがあるからこそ、誰かに想いを馳せる機会もあるのではないかと・・・。


今は緊急事態宣言が出ておりますので、休講になっておりますが、私も日本舞踊サークルの学生の皆様から例年チョコレートを頂くと、本当に嬉しくて😍❤️


恋人の方だけでなく、お友達、ご家族、お世話になっている方々に想いを馳せつつお過ごし頂くと、ハッピーな一日となるかもしれません🌸


お話変わりますが、昨日は地震がとても怖かったですね。

皆様大丈夫でしたでしょうか💦

どうしても10年前のことを連想してしまいますが、このまま地震活動がおさまることを願うばかりです。


さて。


以前のブログで、「日本舞踊」と「ダンス」(洋舞)について触れさせて頂きました📝


深遠なテーマに安易に手を突っ込んでしまいました💦

もっと気軽にブログを書きたいと思うのですが、自分で自分のハードルを上げてしまうという結果になり、とてつもなく後悔しております笑。


前回はこんな記事を書かせて頂きましたので


今回は


■■その2~それぞれのジャンルにおける「身体の使い方」■■


について書いていきたいと思います📝

例によって例の如く、長くなりましたので分けます。


「動きに心を乗せる」という事と、日本舞踊独特だなぁと考える「しぐさと踊りの関係」についてはまた別の記事で掘り下げますので、今回のシリーズでは、あくまでも物理的な身体のお話だけさせていただきます💪✨


私が今までお習いしていて感じること、自身の実感に基づいた考察になります。

ご了承くださいませ。


少しでも皆様のご参考になれば幸いでございます。


==================

目次

①重要な部位その1《背骨》 「軸」という考え方

②重要な部位その2《体幹》 腕や足は付属品

③重要な部位その3 《仙骨、骨盤~おへそ、丹田》 下腹部が身体の要

④重要な部位その4《脇、肩甲骨周り~広背筋》 呼吸と空間の広がり

⑤身体は立体であるという視点

==================


①重要な部位その1《背骨》 「軸」という考え方

皆様「軸」ですとか「体幹」という言葉はよく耳にする機会があるのではないでしょうか?


まず「軸」についてお話をさせていただきますね。


頭を胴体に繋げ、胴体を貫く一番長い骨が背骨。


ダンスや日本舞踊を習っていなくても「良い姿勢のためには背骨を真っ直ぐにしよう」とか、そんな風に意識をされていらっしゃる方は多いのではないでしょうか?


もちろん、バレエでもダンス(私がいうのはジャズダンスです)でも日本舞踊でも、この背骨と背骨周りの筋肉を意識するのは基本中の基本です。


ただ、背骨というのは実際は真っ直ぐではなく「S字」を描いております。

首や腰回りは身体の中心を通っておりますが、S字を描いている事により、胴体の大部分では背中側に位置しています。

骨を触ることができるのも背中側からですものね。


なので、厳密にいうとS字の背骨を真っ直ぐ上に引っ張ることはできないですし、どの部位でも身体の中心を貫いている訳ではないのです‼️


というわけで、いわゆる「軸」というのは「背骨」のことではないのです。


「胴体の真ん中をいつも真っ直ぐに貫く柱」をイメージし、創り上げています


頭頂部の真ん中から、骨盤の中を真っ直ぐにつなぐラインとは

・頭頂部

・肩甲骨の真ん中

・肋骨の下の横隔膜の真ん中

・丹田

といった各ポイントをつなぐ想像上のラインです。


身体を支えるイメージ上の柱は、太くてしっかりしている方が安定してブレにくいかと思われるかもしれません。

ただ、そうなりますと身体の中心が固まってしまい、逆に思う様に動くことができなくなってしまいます😣


軸は

細く

柔らかく

しなやか

でも強度がある


・・・「柳の枝」や「細いワイヤー」のようなイメージでしょうか。

(あくまで私のイメージではございます)


日本舞踊のお稽古の時に、踊るための良い姿勢を意識して頂くときは

「操り人形の糸の様に、常にご自身の身体が上からつられているようにイメージしてください」

とお伝えしています😌💖


バレエやダンスではそのものズバリ「軸を引き上げて」ですとか「お腹を引っ張って」という風に私は教えて頂いてきました。


特にジャズダンスでは、「コントラクション」と「リリース」という基本の動き方があります。

「コントラクション」とは、猫の伸びように体を丸めていく動作のですが、おへその奥の方から動きが始まり、背骨の骨を一本一本に意識を働かせて動かしていきます。背骨の間を一つずつ広げながら丸くなっていくのです。


「リリース」とはその反対に、間を広げて丸くなった背骨を一本一本引き伸ばしていきます。


リリースをすると「フラットバック」という状態になるのですが、もちろんこれは背骨を完全に真っ直ぐな状態にするのが目的ではなく(それは医学的に無理)、背骨を一つずつ意識することで身体の「軸」への意識を高め、「軸」が貫く胴体を真っ直ぐにしていくことを目的としています。


このように、実在している背骨の一本一本を意識して動かすことで、想像上の「軸」に対する認識を強めていくメソッドがあります。


こうすることで、インナーマッスルが鍛えられ、どんなに動いてもブレない身体が作られているわけです。


まとめ

背骨は真っ直ぐではないし、どちらかというと身体の後ろ側に位置しがち

胴体の中心を貫く、想像上の「軸」がある。それは「背骨」のことではない

「軸」は、細くしなやかで柔らかく、そして強い



②重要な部位その2《体幹》 腕や足は付属品

そして、今度は「体幹」のお話


広い意味ですと身体の幹、つまり「胴体」の部分のことを指します。


その中でも特に「インナーマッスル」というように、身体の中心に近い部分(特にお腹の内臓周りを守る)筋肉群のことを指すこともあります。

背骨側にある「多裂筋」、お腹側にある「腹横筋」、上は「横隔膜」、下は「骨盤底筋肉群」。

これらの筋肉が四方から内臓を守っているそうです。


踊る、と申しますと、ダンスでも日本舞踊でも「手」「腕」「足」「頭」といった胴体から出ている部分の動きに目が行きがちですよね。


足が高く上がっているとか、すごく手先が綺麗だとか、腕の動きが印象的だとか😳


これら身体の末端の動きの全てを制御し、その動きの初動となっているのは「ボディ」の部分です。

その中でも身体の中心=軸に近い部分から全ての動きは生まれているのです。


水面に水滴を一雫垂らすと、波紋が生まれます。


身体の中心から「波」のように「末端」に動きが伝わっていくのです。


逆に、腕や足ばかりが動いてしまうと、荒っぽい印象になり、ただただバタバタと動いているだけに見えてしまいます。


腕は「脇」、そして「肩甲骨の間」とポイントが繋がり、「広背筋」という大きな背中の筋肉と繋がっています。


足は、「仙骨」というおへその裏側にある背骨の下の方の骨にポイントがつながり、お尻の筋肉や骨盤の中の筋肉にも繋がっていきます。


以下のテーマの際に、各部位の動きについてもう少し掘り下げますが

(③重要な部位その3 《仙骨、骨盤~おへそ、丹田》 下腹部が身体の要

④重要な部位その4《脇、肩甲骨周り~広背筋》 呼吸と空間の広がり


③はボディの下部分がどの様に足や全体の動きに影響を及ぼすか

④がボディの上部分がどの様に腕や全体の動きに影響を及ぼすか


について)


とにかく日本舞踊も洋舞も、動きの決定権はボディにある、ということです🤔💕


日本舞踊の師匠からは、両肩の2点、骨盤出っ張っている骨(寛骨)の2点、この4点を結んだ「ボディのスクエア」を大事にする様にと教えていただきました。


ひねったりする時もこの4点をしっかり意識して捻ります。


柔らかく動いている様に見える日本舞踊ですが、この4点を「良き位置に保つ」ということを意識しないと、変に身体がねじ曲がって見えたり、捻りすぎてしまったり、グニャグニャと動きすぎてしまったりします。


身体の「ボディの枠組み」を作るイメージでしょうか。


この4点を意識し、ちゃんと「良き位置に保つ」ことが出来た上で、その間の色々な筋肉が細かく動きます。

そうして初めて、しなやかなで独特な丸みを持った動きが生まれているのです。


このスクエアの「向き」というのもとても大切になってまいります。


そのボディのスクエアの向きを司っているのは「丹田」を中心とした「骨盤」。

下の側の2点ですね。

この下側が土台となり、この土台が動けば上の2点はついてくるというイメージです。


この丹田を中心とした下半身の2点を「どう運んでいくか」によって、身体の見え方は全く変わります。


これは、私が最近お習いしているジャズの先生もとても重要視されていることのように感じます。


先生は身体の向き、そしてどうその向きに身体を運んでいくかということをとても丁寧に教えて下さいます。


次の振りに行くときに身体の向きを30°変えるのか、180°なのか、270°なのか。それとも動いている様に見せかけて、実は下半身の向きは変わっていないのか・・・。

その土台となる下半身が決まったら、どうやって上半身(肩の2点のライン)とつむじ(頭)はその上に乗っかっているのか・・・。


詳しく一つ一つの身体のあり方を分析することで、次の振りに行くための動きの大きさ、動くための力の入れ具合の計算、動いた結果の見え方などが大きく異なってくるのです。


先生の教えてくださる事は、日本舞踊にも繋がりためになることばかり。


この素晴らしい先生に教えて頂いていることで、より「踊り」というものがさらに面白くなり、日本舞踊も分析したいという気持ちが強くなりました。


まとめ

手足を動かすことだけが大切なのではない

「軸」に近いところから「波」のように動きが末端に広がっていく

「ボディの枠組み」を良き位置に保つ

「ボディの向き」がとても大切


==================


いかがでしたでしょうか。

文章だけだとなかなかイメージしずらいことがあるかと存じます。


ご意見やご感想などお気軽に教えて下さいませ📝


また楽しみに投稿をお待ちください

どうぞ宜しくお願い申し上げます。


最後までお付き合い頂き、ありがとうございました😂💕

(すんなり立っているようで、実は色々使っています😆)


まり草


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